心結(ここな)のそらいろ

こころを看る こころを結ぶ 老年看護師日記

コロナ禍生活から得られたもの

こんにちは。

コロナ禍の生活が長くなり、皆様の毎日にも計り知れないご苦労があるのではないかと思います。心の状態はいかがですか?

私の感染症対策と共に生きる高齢者ケアでも、想像以上に労力を要する日々を過ごしております。ご高齢のご家族がいらっしゃる方々は、ご自宅、施設と過ごされている場所は関係なく、不安なことや大変なことがある毎日なのではないかと思います。

 

 今、長引く自粛生活から、不安や恐怖、孤独、うつ症状の悪化、認知症の進行、心身の不調相談が数多くあります。悲しい結末に立ち会うことも多く、私自身、専門職として、たくさんの方の人生に寄り添っていても、心を強くしなければ向き合えない厳しい現実が続いています。今回のコロナ禍の生活は、人の生き方、過ごし方、人生の時間軸までも大きな影響を及ぼしています。

 

失われるものが多くありますが、あえて、この苦難をプラスに捉えるとするならば…

”当たり前と思っていた日常の大切さ”に気付く時間となり、”大切な家族や大切な人の存在の愛おしさ”に思いを寄せ感謝する時間なのかもしれません。

いずれも人との関わりの中で生まれる気持ちであり、人との繋がり”はかけがえのない尊いもの大変な時ほど、人の心に触れると、救われることがあります。

 

 先日、認知症の進行と共に、言葉の数が少なくなり、食べることも飲むことも少なく、今という一瞬を精一杯の生命力で過ごされている一人の人生の先輩から「いつも ありがとう」と、小さな声でそっと言葉をかけてもらいました。ご本人が一番辛いはずなのに、相手への思いやりを忘れない姿。たった一言の言葉ですが、私の心は本当に救われました。ケアする側もされる側も関係なく、私達の心は支え合っているのだと思います。

コロナ禍の生活は、 見失ってはならない大切なものを再認識する時間を与えられているだと、感じています。一人一人誰もが、誰かにとってのかけがえのない大切な存在です。

「いつも ありがとう」この思いが、皆さんの大切な人にも届きますように。

 

f:id:luanatsu:20210718181003j:plain

いつもありがとう

✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――

※その昔、20代で若さのある看護をしていた時は、夜勤明けで旅に出る疲れ知らずのパワーがありましたが、40代真っ只中にもなると…記憶、体力は着実に低下するものと実感しています。加齢に伴う変化を自らも経験しながら、コロナや体力低下を言い訳をせずに、”いつもありがとう”の気持ちをもって、前を向いて進んでいきたいと思います。